もりぞー

アメリカン・スナイパーのもりぞーのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
3.3
「アメリカン・スナイパー」を観る。安定のC.イーストウッド監督作品。イーストウッドは不安の煽り方がとてもうまいのではないかと思う。この映画の主人公は戦地に赴くまでは「大義」の下で敵を殺すことに何の疑問を持たない。むしろ早く戦いたくてウズウズしている。戦地では味方を守るスナイパーとして、敵と民間人を判断して射殺していく。子供と女性をスコープ内で観察し、対戦車手榴弾を隠し持っていたのを確認すると射殺。そんな射殺を繰り返すなかで「大義」と「倫理」のアンビバレンスな心的状況を抱え、自分でも気づかないうちにPTSDを患っていく。そして国を守る「大義」も仲間を殺された「復讐」へと変わっていく。
実話を基に見ごたえあるドラマに仕立てるイーストウッドの手腕が冴える作品。実話同様ラストも衝撃的。
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