まーるつぁいと

アメリカン・スナイパーのまーるつぁいとのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
3.8
人の心を無くさせる、戦争。
ラストのやりきれなさとエンドロールに心が響きます。
やっぱり戦争なんて絶対しちゃ駄目だ。
尊い命も輝かしい精神も軽々しく扱われてしまう戦争なんて、絶対駄目。
この映画の中でもたくさんの人が撃たれて殺されて…でもきっと現実はもっと厳しく残酷で冷徹なんでしょうね。
子どもが爆弾抱えて走ったりライフル抱えたり虐殺されたりするシーンは、本当に辛くて目をそむけたくなるほど。
でも今この瞬間にも、全く同じ様なことがどこかで起きてるかもしれなくて。
日本では幸い戦争をしていないけれど、こんな状況にある人達がいてこの映画の話だってつい最近のことなんだ、と知っておかなければと強く感じました。

クリスという男がどのように育ってどのような思いで“伝説”となったのか。
幼少期からのエピソードが混じったり弟の存在によって、その部分が強調されてよく伝わってきました。
ムスタファとスナイパー同士として対峙するシーンは、まさに彼の全てが詰め込まれている気がします。
そして任務を終えて帰る、タユと子供たちが待つ家。
ここでの父親としての彼の心情の変化がブラッドリー・クーパーの表情からすごく伝わってきて、辛いような嬉しいような複雑な気持ちになりました。

でも私の性別はあくまで女。
なので、クリスを送り出して迎えるタユに完全に感情移入しちゃいます。
特に妊婦時代、イラクにいるクリスとの電話のところなんてもう泣けてくる。
ただでさえ初めての妊娠で出産という不安もあるのに、旦那さんが戦地で戦ってるなんて…。つらい。

ラストは本当にやりきれなかったですが、幸せに過ごせた時間も少しはあったのかなと思うと私の気持ちが勝手にちょっと救われました。


うーん…こういう映画も大好きなんだけど、激しくレビューが難しい…