ツクヨミ

私の少女のツクヨミのネタバレレビュー・内容・結末

私の少女(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

家庭内暴力と行き場の無い子ども.その状況を許せない警察官が織りなす社会問題怪作。
ぺドュナ主演で気になっていた本作、監督の新作が公開なので予習がてら見てみた。
まず本作は韓国の田舎漁村を舞台にした話になっており、雰囲気からすれば今の社会問題突きつけ系邦画にぴったり合うエグさを持った作品になっている。田舎特有の閉鎖的で高圧的な人間関係.家庭内暴力.暴力環境のせいで自分の殻に篭りがちな子ども.後半突如顔を出す同性愛者に対する偏見差別などなど現代的な社会問題がモリモリに盛られ胃に穴が空きそうな胸糞さが画面を支配しているみたいだった。
そしてけっこう重要なファクターになっている"酒"の問題、親が暴力を振るう起点になるしぺドュナ扮する警察官が眠れないからと飲む、問題の種にもなるし問題を起こさせない要素もあるように思える。だがそれも飲む人によって変わるしまさに犬とハサミは使いようというべきか。
あと後半二転三転するえぐい脚本も特筆すべきかと、結果的にはリアリズムから外れそうはならんやろという展開の連続なんだがパンチが効きまくってて絶句した。なんとまあ力強いというか血も涙もないというべきか、脚本も書いてるチョンジュリのパワーに打ちのめされる。
ラストに関してはけっこう希望的観測が強くてちょっとファンタジーにみえるんだが、オープニングの車移動を意識した車移動なのかと思うとうまいなと思ったり。ちょっとぶっ飛んではいるがかなりえぐみが効いた韓国社会派映画でおったまげた怪作だったぞ。
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