カタパルトスープレックス

私の少女のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

私の少女(2014年製作の映画)
3.6
チョン・ジュリ監督によるサスペンス作品です。ペ・ドゥナ主演。

本作のテーマは「偏見と暴力」だと受け取りました。理解されないものは嫌われる。嫌われるから理不尽な暴力を受ける。

ある事件がきっかけでソウルから田舎町に左遷されてきた警察署長イ・ヨンナム(ペ・ドゥナ)。ヨンナムはそこでが学校の同級生や継親から暴力を受ける少女ソン・ドヒ(キム・セロン)をたびたび見かける。ドヒはなぜ殴られるのか?ヨンナムはどうするのか?という話です。

暴力は肉体的なものだけでなく、心理的や精神的なものもある。そして、多くの暴力は無理解による理不尽なもの。本作はそこをストレートに描いています。

ペ・ドゥナがやっぱりよい。キム・セロンが演じるドヒは鏡でもあるのだけれど、鏡の中に映った自分と対する演技というか、そういうのがうまい。キム・セロンはもうすこしメンヘラっぽくてもよかったと思う。ダークな要素が少ないので、ヨンナムの揺れる描写の振れ幅があまりない。演出としてキャラクター造形はもう少し踏み込んでほしかったかも。そうすればもっとテーマが浮かび上がってきたのに。