McGuffinマクガフィン

だれのものでもないチェレのMcGuffinマクガフィンのレビュー・感想・評価

だれのものでもないチェレ(1976年製作の映画)
4.5
なんかすごいものみた。

サイレント映画の「雀」を彷彿とさせるがもっと重苦しく暗い現実。

フランコ政権下のスペイン然り。
独裁政権の犠牲者が描かれる。

原作小説は実際に孤児だった少女の話を元にしたもの。

1930年代初めのミクロシュ・ホルティ政権下のハンガリーが舞台。

当時、孤児を引き取ると政府から助成金が支払われた。金目的に引き引き取られた孤児は奴隷のように扱われた。

男の子なのか女の子かわからない全裸の子供が牛追いをしている。一見美しく長閑なシーンからスタートしているが、実はこの子が孤児で下着の1枚すら与えられていないことがわかる。
しかもこの全裸のシーンは30分ほど続く。

この世であんたのものは一つもない。
あんたのものは身体だけ。

やましいことがありすぎで全部暴露してるあの毒入りミルクオバハンには呆れる。

一つ言えることはチェレは賢く勇敢で働き者の少女であるということ。
そして〈チェレ〉とは名前ではなく孤児に対する差別用語。

おじいさん🥲