aki

約束の地のakiのレビュー・感想・評価

約束の地(2014年製作の映画)
3.1
不思議な映画。部類で言えばスルメもの。
失踪した自分の娘を探すために軍人の男がひたすらパタゴニアの雄大な荒野を行くロードムービー。
四角く切り取られた画面、空の青と大地の緑というシンプルなコントラスト、人を導く犬の存在、そして誰も辿り着けないとされる約束の地。
果てしない地平線の上にポツンと立ち、馬に股がり進み続ける西欧の軍人、心の中は焦りと不安と怒り、そして疲労で一杯。
風の音だけが微かに聞こえるがほとんど無音、無言の風景のシーンが続く。
後半繰り返される「人生を動かし前に進めるものは何か」というナレーションと荒野に独りで生きる事の意味がこの映画の本質を浮き彫りにしていく。
終盤の意味深過ぎるトリックな展開など少し2001年宇宙の旅に通じるものが有る。
好きな人は何度も味わいたくなる映画だが、苦手な部類の人にはかなりしんどい映画だとは思う。
aki

aki