映画に限らず全ての物語には、人の意識が創り出すこの痴話痴話した世界の内しか描かない物語とその外までを描いた物語があって、観客にも内だけの泣き笑いに安堵し不可解な外なんか観せられたら落ち着かなくなる者と、内ばかりじゃ退屈憤慨してしまい人外境まで観せられてようやく落ち着けるような変人がいて、まあ立派な変人としか言いようがない自分的にはこの映画はもう完璧なカスタネダ的意識の謎、存在の迷宮をそら恐ろしい美しさで描いていて、これをプロデュースまでしたヴィゴ・モーテンセンはなんてまあ素晴らしい表現者なのだろう。