桃子

365日のシンプルライフの桃子のレビュー・感想・評価

365日のシンプルライフ(2013年製作の映画)
3.3
「幸福度ランキング1位」

いつか徹底的にしようと思っているけれど、その「いつか」は永遠に来ないような気がしているもの。それは「断捨離」… ミニマム生活には本当に憧れる。荷物のない空間で生活したい。でも、私にはとうていできそうにない。思い入れのある物がありすぎて、捨てることができないのだ。
この映画はタイトルから想像できるとおり、シンプルな生活をするために試行錯誤した物語である。監督・脚本・主演を務めたのは、ペトリ・ルーッカイネンというフィンランドの若者。彼の実体験から生まれたようだ。
彼がシンプルライフをしようと思い立ったきっかけは失恋だった。実験を始めるために、家じゅうの物をすべて倉庫に預ける。自分も全裸になる。そして1日に1回倉庫に行き、1個必要な物をとってくる、というルールで実験生活を始めるのである。これを1年続け、1年間は何も買わない。よくこんなことを思いついたものだと感心してしまった。一番衝撃的だったのは、雪の積もる道を夜中に全裸で裸足で走って倉庫へ行くシーン。なにもそこまでしなくても…と思うけれど、彼は決めたことを実行しただけなのだろう。
開始が冬だったので、最初に倉庫から取ってきたのはコートだった。それを裸の身体に直に着て、そのまま冷たい床に横になって眠る。めっちゃ寒そう… お風呂に入ったら、コートをタオルがわりにして身体を拭く。スゴイ… 次に取ってくるのは当然パンツかなあと思って見たらさにあらず、ブランケットだった。
先日見た「へヴィ・トリップ」では、フィンランドはメタルバンドが多いと紹介したけれど、別の面もあるようだ。公式サイトには「『ムーミン』やサンタクロースの国として知られているフィンランドは、常に幸福度ランキングの上位で、世界有数のシンプルライフの国」だと書いてあった。なるほど~~~ 幸福度ランキング上位というのはどこかで聞いたことがある。今年のランキングをチェックしてみた。
1位フィンランド 2位デンマーク 3位スイス 4位アイスランド 5位ノルウェー 6位オランダ 7位スウェーデン 8位ニュージランド 9位オーストリア 10位ルクセンブルク
北欧諸国が上位をほぼ独占している。日本は62位、最下位はアフガニスタン。ちなみにフィンランドは3年連続第1位だそうだ。
フィンランド映画を見るだけで幸福な気分になれる気がしてきた…
桃子

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