Clara

ミエーレのClaraのレビュー・感想・評価

ミエーレ(2013年製作の映画)
3.6
非合法だと知りつつも、回復の見込みがなく、尊厳死を望む末期患者に対して、自殺幇助をしているイレーネ。
毎度メキシコまで足を運び薬を調達する。
ところがある日、健康だが自殺願望のある男性に、何も知らずに薬を渡すことになる。
使用を止めるべく彼の家に何度も足を運び、会話をしてゆくうちに、2人は打ち解ける。
しばらくしてイレーネは、このビジネスから足を洗う決意をするが、その矢先彼は別の手段で命をたつ選択をする。

尊厳死…難しい問題。
末期にも関わらず、いつまでも苦しい思いをして生き、死をただ待つ日々なんて地獄だと思う。
早くラクになりたいと考えるのも、決して不自然ではないはず。
でも、自ら命を絶つことが倫理的にいいことではないうえに、自殺と違って人の手が加わる点が問題をより深くしているんだな、と改めて感じた。
ただの自殺願望者が、尊厳死を偽って自殺しようとする可能性もあるということを、この作品を通して気付かされた。

主人公自身に、未来があると考えていないような、空虚さや暗さを感じさせる雰囲気が強かった。
1つ疑問が残ったのは、あの男性との関係。
どんな言葉で関係性を言い表すのが適当なのかが、わからない。
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