メイプルわっふるG

カリフォルニア・ゾンビ逃避行のメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

3.0
青春ゾンビ映画。
ゾンビ世界で冴えない男が幼馴染みに会いに行く成長譚。

まさに青春といった音楽が要所要所で流れマイナス点を払拭する。
ロードムービーさながら旅の途中で出会う面々とのエピソード。ゾンビキラー神父やジャンキー親友との再会、ゾンビ襲撃や逃走など紆余曲折あるものの、終えてみれば清々しい。
良い感じのままエンドクレジット後のオマケもなし。本当に「THE END」で物語を完結させたのも潔い。

序盤は幼少時の仲睦まじい思い出。高校では幼馴染みが別の男とつきあい始め悶々としたり、彼女のフォローをしたり。ジャンキーながら親友もいるので、この頃までは地味で普通な学生でしかない。

ダメ人間になったのは卒業後。ニート生活3年。引きこもってシロートラジオDJをする日々。リスナーは家族と親友程度。祖父以外の家族とは衝突。
ダメ人間スタートにした方が物語として成長の上がり幅が大きいのはわかるけども。。ちょっと歪で中途半端。
口うるさい父の苦言は、一般的に考えて当たり前の内容。
鬱陶しい母の話し掛けは、息子を心配するセリフ。
バカにしてくる弟は、嫌悪ではなく笑いながらイジっている体。
祖父は全肯定。
いや、めっちゃ家族に愛されてるじゃん。

成長以前に矮小さが出るのも面白いところ。
ジャンキー親友が思いのほか重い過去を背負っていたと知り、自身の苦労や悩みがどれほどちっぽけなのか思い知らされたり。
好意を寄せてくれていた女の子が「ウザかったから」って、ゾンビ化をこれ幸いと撲殺。何度も殴打。清々したという言動。恋敵&ボコられたアメフト男と同じ扱いというのが何とも。

そんな好感度とは無縁な主人公だというのに、展開と音楽だけで素晴らしい青春ものに思えるって凄い。
幼馴染みヒロインのレベッカ・ブランデス、旅中ヒロインのステファニー・ハント。こちらは二人とも好感度高い良いキャラクターだった。


2020.09.26 ひかりTV
2016.05.07 ひかりTV