なつ

SAYAMA みえない手錠をはずすまでのなつのレビュー・感想・評価

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“獄友”で取上げられた狭山事件の石川さんを追ったドキュメンタリー。
これを撮っていた頃は、なんとか事件から50年を越さずに再審請求を勝ち取りたいと言っていた。
そして今、本作から7年経ち、不当逮捕から57年ですよ……。
石川さんは、無罪となった訳ではなく、あくまで仮出獄の身なんです。
生きてる間に、なんとか第三次再審を!
石川さんが走って、節制して鍛えている姿が印象的だ。
これもひとえに長生きする為だろう。
仮出獄ですから、遵守事項に則った生活を強いられ、常に緊張感を持った生活を送っている。
それが、どんなに苦しいことか、、、。
石川さんの夢は、アフリカケニアに行くこと。
動物が大好きなんだそうです、動いている動物を見たいて。
叶えさせてあげたいじゃないか。
奥様も素敵で、美味しいこと、楽しいこと…それを一回でも味わわせたいて。
この二人を本当の意味での自由に、安寧をと願わずにいられない。

下記は余談。
私は、大阪市の学校を卒業したんだけど…当時は、小学校高学年から、道徳の授業で同和教育を学んだ。
(石川さんは、非差別部落出身で、差別的な不当逮捕と言われている)
担任から、何故こんな差別が生まれるのか、その構造を理解しないと、ずっとこの問題は解決しないと学んだ。
非差別部落の人が話を聞かせてくれたこともある。
石川さん事件の話もかなり聞いた。
週末になると、ある地域では“石川さんを帰せ!”てパレードが盛んに行われていた。
子どもの頃は、割と身近に石川さん事件があった。
それが何時の頃からか、横断幕やパレードが無くなった。
でも…さ、未だに解決してないんだよ。
あまりにも、酷いよ。
なつ

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