minorufuku

青の光線のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

青の光線(2011年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

麻薬の運び屋で生計をたてている男は、ある日、ティッシュ配りの女性を客と勘違いして麻薬の入った袋を渡してしまう。それをきっかけに2人は頻繁に会う間柄となる。最初はお互いに罵り合う関係だったが、少しずつ距離を縮めていく。やがて男は麻薬の運び屋から足を洗うことを決意するのだが…という話。

70分の短めの上映時間で、ストーリーもこじんまりとしているのだが、東京に暮らす男女の冷めたやりとりが自然で、作品に漂う空気感が心地よくてかなり好みの映画だった。主人公2人は、それぞれ心を病んだ家族を抱えており、家族に愛情は抱いているものの重荷にも感じており、麻薬売買や売春などの非合法な手段で金を得てどこか無気力に暮らしている。似た境遇による共感と寂しさからか、2人が口では喧嘩しつつも、確実に心を通わせていく過程を、印象的な映像で表現していた。手持ちカメラの粗い撮影方法も本作には合っていた。主人公も含めた麻薬売買の仲間の関係性も良かった。

主人公の母親役が古村比呂。久々に見た。朝ドラのチョッちゃんとか若い世代は知らないだろうなあ…
minorufuku

minorufuku