あきしげ

こっぱみじんのあきしげのレビュー・感想・評価

こっぱみじん(2013年製作の映画)
2.5
映像制作会社『冒険王』による、
第1回製作作品となっています。

ピンク映画の監督たち、
4人が立ち上げた会社で、
新たな映像を提供する。

一方通行の片思い。
誰も一度は経験し、
楽しくも辛くても、
思い出に残ります。

現在進行形でも、
過去形であっても、
片思いは様々だ。

本作にゲイが一つのテーマになる。

BGMを廃した本作は、
ドキュメンタリー性が強くなっていて、
淡々と見せる演出では、
登場人物たちの関係性を描写しており、
切ない物語が展開する。

主人公は平凡なる少女である楓。
演じているのは我妻三輪子です。

好きな人が久々に帰郷していた。
それを知って楓の表情は明るくなって、
好きになった相手がゲイと知り、
その事実に対して前向きに接していき、
好きな人と結ばれなくても幸せ。

目標を持たない少女が前向きになり、
人生に目標を持っていく姿が印象的。
我妻三輪子は見事にこなしています。

楓が好きになる幼馴染みの拓也。
演じているのは中村無何有です。

難しい役柄であるけど、
中村無何有は見事に演じきり、
説得力を魅せています。

楓の兄である隆太。
演じるは小林竜樹。

真面目に婚約者を愛するも裏切られ、
本作では一番可哀相な役目になるも、
それでも婚約者はまだ諦められない。

隆太の婚約者である有希。
演じるのは今村美乃です。

登場人物の中で一番の自己中。
隆太への不満が描写されずに、
クソビッチの印象しか残らず。

4人の関係は単純だけど複雑に絡み合う。
楓は幼馴染み拓也が好きだけど彼はゲイ、
拓也は隆太がずっと好きだが友人止まり、
隆太は婚約者の有希に裏切られても好き、
有希は自分一人で子供を育てると決める。
4人の片思いは交わらない切ない物語だ。

「でも、なんか幸せなの」

このセリフは楓の気持ちを表した一言でした。

RE-130
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