映像制作会社『冒険王』による、
第1回製作作品となっています。
ピンク映画の監督たち、
4人が立ち上げた会社で、
新たな映像を提供する。
一方通行の片思い。
誰も一度は経験し、
楽しくも辛くても、
思い出に残ります。
現在進行形でも、
過去形であっても、
片思いは様々だ。
本作にゲイが一つのテーマになる。
BGMを廃した本作は、
ドキュメンタリー性が強くなっていて、
淡々と見せる演出では、
登場人物たちの関係性を描写しており、
切ない物語が展開する。
主人公は平凡なる少女である楓。
演じているのは我妻三輪子です。
好きな人が久々に帰郷していた。
それを知って楓の表情は明るくなって、
好きになった相手がゲイと知り、
その事実に対して前向きに接していき、
好きな人と結ばれなくても幸せ。
目標を持たない少女が前向きになり、
人生に目標を持っていく姿が印象的。
我妻三輪子は見事にこなしています。
楓が好きになる幼馴染みの拓也。
演じているのは中村無何有です。
難しい役柄であるけど、
中村無何有は見事に演じきり、
説得力を魅せています。
楓の兄である隆太。
演じるは小林竜樹。
真面目に婚約者を愛するも裏切られ、
本作では一番可哀相な役目になるも、
それでも婚約者はまだ諦められない。
隆太の婚約者である有希。
演じるのは今村美乃です。
登場人物の中で一番の自己中。
隆太への不満が描写されずに、
クソビッチの印象しか残らず。
4人の関係は単純だけど複雑に絡み合う。
楓は幼馴染み拓也が好きだけど彼はゲイ、
拓也は隆太がずっと好きだが友人止まり、
隆太は婚約者の有希に裏切られても好き、
有希は自分一人で子供を育てると決める。
4人の片思いは交わらない切ない物語だ。
「でも、なんか幸せなの」
このセリフは楓の気持ちを表した一言でした。
RE-130