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フレンチアルプスで起きたことのmid5のネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

この映画を観てヒムパシー(himとpathy【同情】の造語)みたいなことがあちこちで起こってそうだなと思った。

嘘をつく
浮気する
大声で泣きわめく
普段の家事育児は妻がほぼ担う

最初の話し合いの時点で嘘をつかなければ、人を巻き込んで大泣きするハメにならなかったのに。
というのは簡単だけど、それほど受け入れがたい自分の行動を受容するのに時間が必要だった訳で、その過程の描写が丁寧で人間臭くて良かった。
この家族だけでなく、他の人の価値観も交錯するのも面白かった。

雪崩の件で二人とも悩み傷ついたのだから、前に進むためにも話し合う必要があった。
でも夫は嘘をつき事実を否定し、あげく妻の受け取り方がおかしいというようなやれやれみたいな態度を取り出す。
そりゃ、妻は事実だけでも認めてほしいと思うだろう。尊厳を持つ一人の人間として、当たり前の行動。
でもそんな妻の態度は「しつこい」だの「女はしたたか^^;」だの言われがち。
一方で妻や子どもを傷つけたことも、自分の失態も無かったことにしようと、保身のために強引に嘘をつき通そうとする夫は「可哀相」と同情されがち。
夫が嘘をついた最初の時点で「そうだね。私の思い違いだったね。雪崩怖かったね。よちよち。」って夫を立てれば「良い妻!」ってなる人もいるんだろうなと思うと面白い。
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