４人家族の父親が雪崩から我先に逃げたことを妻からずっとそしられる話。
当人たちは必死なのに他人からは滑稽に見えてしまうという喜劇、いや悲劇か。初めは気の毒と思いつつマーモットの喧嘩を眺めるような気持ちで笑いながら鑑賞していた。助かったんだからいいじゃないかとか、嘘でもいいから一言謝っておけばいいのにとか、安全圏からツッコミを入れるのはいつだって楽しい。
が、予告で示されていた以上の情報がなく、思わせぶりな演出を挟む割には進展がない。後半でちょっとだけ話が動き、父親の不名誉が挽回されるものの、不意に起きた雪崩と不注意による遭難では状況が異なるので、物語としてのカタルシスとしていまいち腑に落ちない。
映画ではなく演劇でできるだろうし、尺も半分の１時間程度で済む話だった。
