してしまったことはしてしまったこととしてちゃんと謝罪すればここまでの不協和音は生まれなかったのになぜ謝罪しなかったのかと、正論を言ってしまえば簡単だけど、そうできない夫の心情も痛い程分かるから複雑な気持ちに。
家族を置き去りにして我先にと逃げ出してしまった自分を認めることができず、妻からそのことを詰られても自尊心を保つためくだらない弁明をし、挙げ句の果てには自分だって被害者だと嘘泣きしながら同情を誘って許して貰おうとする情けない姿はイタイタしかったけど、どこか自分にも身に覚えがあるような気がして馬鹿にすることができなかった。
自分が理想とする自分。他人から理想とされる自分。そのどちらからもかけ離れた格好悪い自分が表れてしまった時に、それも自分なんだと素直に受け入れられるかどうかが、とても大切なんだと思わされた。
