ちろる

ソニはご機嫌ななめのちろるのレビュー・感想・評価

ソニはご機嫌ななめ(2013年製作の映画)
3.5
アメリカ留学を目指すソニと、彼女に好意を寄せる3人の男たちが織り成す四角関係を描いた恋愛コメディー。

冒頭でソニに対して先輩が声を掛ける。
ソニはとにかく教授の行方が知りたくて、食事をするのだけどこの先輩はソニに下心のある
一方的に自分の気持ちを押し付ける側と、
気持ちを押し付けられる側の全くかみ合わない会話を楽しむことがこの映画の目的。
少しずつ変わった展開へと進む作劇も面白く、男達はお互いが同じ女の子を好きとは知らないままに互いに恋愛相談も微笑ましいスリリングさを生み出しています。
そんでもって結果的にソニは誰とくっつくのかどうかはこの映画の中では重要ではない。

それにしてもソニはずっとイライラしている。
それはなぜか。
どうでも良い相手が一方的に自分の気持ちをぶつけてきてる。
でもこれは愛の囁きとは違う。
誰もソニのことなんか見てないから。
ソニはただ留学するための良い推薦状がほしいだけなのだから。
悪気なく推薦状をもらうために結果的に3人の男を巻き込んでしまったソニは間違いなく小悪魔なのだと思うが、勝手気ままだったのは男たちと同じで、最後はもうこの3人と会うことはないだろう的な雰囲気で終わる。
そして、置いてけぼりにされた男3人の妙な雰囲気で終わるところがクスッとさせられる。

ホン・サンスらしい絶妙な空気感を作り出す会話劇。
人間の小狡さら滑稽さも露わになってドキッとします。
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