ジャケットのチョン・ウンチェが可愛くて思わず手に取った。ホン・サンス監督の映画は初めて見た。長回しのアングル固定で撮られていてクローズアップもBGMも基本的に一切なし。シンプルで中だるみと言われる構造だけど誤魔化すことのできないリスキーな手法だとも思う。音楽が無い代わりとして生活音や自然の音が違和感なく入ってきて私たち観客との距離を近く感じさせ、テレビ画面との境界を取り払ったような感じだった。ズームには少し違和感を感じた。本当の日記のように穏やかで平坦な日常を切り取ったようだった。ただそれ故に映画としては退屈だった。街並みや服装が平凡でその温かみが好きだった。
