マッツ・ミケルセン好きなんだけど、セクシーアイコン化しすぎてから嫌な役でも情けない役でも「かっこいい」が先に来ちゃってる。そこへいくとわたしのもう一人のアイドル ガンブランはここでも唯一無二の色気を漂わせつつ、障害のある息子を妻に丸投げして逃げつづけた夫・父親のしみったれた無責任さを遠い背中からさえも漂わせててちゃんと嫌悪感があるんだ。まあマッツはハリウッドスターでもあるから演出上の違いが大きいのは無視できないけど悔しいよ。
息子ジュリアンも「健気でひたむきで支えたくなるような健常者にとって都合のいいわきまえた障害者」ごっこせずに、歳相応にわがままでたまにイラッとさせるところがかえって好き。そもそもあの程度のわがままさえ正面からぶつけられることなく目を逸らしつづけた空白の17年を修復できると思ってたら甘すぎるよね、息子に対しても妻に対しても。やり直すってそういうことだと思う。
