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アデライン、100年目の恋のLuluYのレビュー・感想・評価

アデライン、100年目の恋(2015年製作の映画)
4.3
歳を取るということに対して、多くの人がネガティブな印象を抱いている。
とくに女性はそうだと思う。
長い年月をかけて映画を含めて多くの媒体が「若い方がいい」「若さ=美しさ」だとわたしたちに植え付けてきたからそう思ってしまうのはごくごく当たり前のこと。

ブレイクライブリー演じるアデラインは29歳の外見を保っているというキャラクターで、どのシーンでも美しい。
でもその美しさって外見だけからきているのではなくって、
人より長く生きてきた分の知識や経験がおおいに関係しているのが
やりとりのなかで感じ取れる。

大切な人はみんないつか自分を置いて先に逝ってしまい、自分は住居を転々とし身分を偽って、いつまでも終わらない孤独と戦う日々なんて考えるとぞっとする。

作中ではあまりキャラクターを掘り下げていないので観客がイマイチ入り込めないけど、「アデラインとウィルが」とか「ジェニーとエリスが」とか「ラブストーリー」だとかよりも、もっと大きい視野で見てほしいということなのかなぁとわたしは解釈しました。

歳を取るということは、愛する人たちと時間を共有しているということなんだなと。

これ、監督男性なんですね。男性社会の映画界でこんなに女性側に立って映画撮ってくれる監督、ペドロ・アルモドバルぐらいしか他思いつきません。
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