MikiMickle

ぼくを探しにのMikiMickleのレビュー・感想・評価

ぼくを探しに(2013年製作の映画)
3.8
2歳の時に両親と死に別れて以来一言も話さないポール。
ピアニストの彼は、あくの強い叔母2人と暮らしている。33歳。
あるとき、盲目の友人を追って偶然入った同じアパルトマンの不思議な部屋。
そこは部屋中に植物が植えられていて、光輝いており、マダム・プルーストという女性が住んでいた。
彼女が差し出したのはハーブティー。
頭の中に眠る記憶を呼び覚ます、不思議なのハーブティーだった…
蘇る両親との思い出。
それ以来、叔母の目を盗んではマダム・プルーストの部屋へ通うポールの記憶を取り戻す日々がはじまる。
しかし、思い出はすべて良いものとは限らず…


『ヴェルヴィル・ランデブー』『イリュージョニスト』のシルヴァン・ショメ監督作品。
プロデューサーは『アメリ』などののクローディー・オサール

監督はアニメーション作家の人。
だから映像がカラフルで可愛らしい♪特にハーブティーとは名ばかりのものを飲んでイッチャッテル時のポールのみる記憶なんかは絵本の世界っぽくてポップ。カエル合奏団とか(笑)
マダム・プルーストの部屋も、ウィリアム・モリスのような壁紙から、床が畑に改造されてたりとか、奇妙でたのしい♪

登場人物も良い♪
大人しいポールと筋肉ムキムキの父親アッティラ2人を演じたギョーム・グイ。両極端な二人をきちんと演じていてすごい‼悲しげなライトグリーンの目が良い♪
マダム・プルーストもかなり個性的で、粗野だが優しい。キュート。素敵っ! つか、脱法ハーブ屋だしねw
叔母2人もおかしい。(ちなみにこのうちのひとり、2013年に亡くなったベルナデッド・ラフォンに捧げられてるんだけど、その追悼シーンが良い♪劇中のシーンのワンカットなんだけど、くすんだ海の風景は美しいし、楽しいし)

音楽がテーマのひとつだけあって、その選曲も良い♪

『アメリ』感、ある‼笑いあり、ほっこりしつつも、両親の死や恐れを抱く父の謎とき要素もあり、涙あり、処女と童貞の攻防戦あり(笑)、脳内トリップあり、愛に溢れた映画でした♪
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