ウマノホネ

ぼくを探しにのウマノホネのレビュー・感想・評価

ぼくを探しに(2013年製作の映画)
4.5
劇場公開が2014年、その当時にも鑑賞したのですが、
今回もそのときとまったく同じ場面で涙してしまいました!

自分の記憶を取り戻す、という、タイトルの通り『ぼくを探しに』いく物語なのですが、

私が泣いてしまった場面は、原題にもなっている“アッティラ・マルセル”のレコード(B面)が流れる、父と母とのプロレスシーン。
このリング上での闘い(愛のワルツ)は、自分自身が二人の愛の結晶であるという肯定的な存在として自覚する、本当に感動的な場面です。

先ほど敢えて“B面”と書きましたが、その反面では、自分が忘れて(記憶から消して)しまった事実を思い出すことになります。

事実、とは言うものの、
幻想的・空想的に描かれた夢物語のような劇中の出来事は、どこまでが事実なのか…
見ている私たちも、まるで主人公と同じくリラクゼーションの処方を受けているような気分になってきます。

自分探しの物語、その中で宗教的な考えや人種意識など、全てに含みがあり、
それでいて小難しいこと抜きに感動してしまう、童話のような不思議な物語。