ユカートマン

ぼくを探しにのユカートマンのレビュー・感想・評価

ぼくを探しに(2013年製作の映画)
4.0
両親が死んでフランス版阿佐ヶ谷姉妹に育てられた失声症のピアニストが、脱法ハーブティーで親の記憶を取り戻していく話。

泣いた。何でこの作品を今まで知らなかったんだろう。ポール役の俳優が父親も演じてきたことにエンドロールで気づく。童貞役とマッチョ役を演じ分けられるのすごい。回想シーンが基本哀愁誘う曲調のミュージカルなところがとても良い。それと対照的に現実ではプルーストおばさん(文豪と同じ苗字)が陽気で生を感じるウクレレを奏でている。阿佐ヶ谷姉妹vsプルーストおばさんの乱闘のシーンが影のアニメーションになってるところとか、カエルのバンドとかゴンドリーみを感じる。ちなみにカエル(frog)は英語でフランス人の蔑称。自虐的なのかな。剥製技師が登場するが、赤ちゃんの頃の記憶を辿ることで、両親の剥製(腐らない正しい記憶)を作っているようだった。全体的に玩具箱のような映画でした。
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