Yuki

めぐり逢わせのお弁当のYukiのレビュー・感想・評価

めぐり逢わせのお弁当(2013年製作の映画)
4.0
想像とは違って、大人のほろにがインド映画だった!
最後みんなで踊って大団円、とはいかないまでも、マダムインニューヨークのように何かしらのハッピーエンドが用意されているのかと思っていた…
(マダムインニューヨークも、別に恋が成就、とかではないある意味大人の映画だったが、ラストの幸せ感は印象的)
でも面白かった。

まず、あの弁当配達人システムが面白い。インドではあんな制度があるんだなぁ。
あんなに間違えそうなのに、間違う確率600万分の1ってすごい。それを踏まえて観ると、取り違えがさらに奇跡で縁に思える。

ああいう文字だけのやりとりって、とてもロマンがあってキュンとするなぁ。手紙を待つまでのドキドキとか、見つけて読むときの高揚感とか、今で言うとメールになるんだと思うけど、顔が見えないコミュニケーションの良さっていうのはありますね。

ところどころに散りばめられたユーモアも良かった。
ソワソワしてお弁当をデスクで開けちゃうサージャンを見つめる、隣のおじさんの顔!とか、結婚祝いの花を付けたまま走るスクーターとか、ラスト、歌う配達人軍団の中になぜか1人アンニュイに混ざるサージャン(シュールすぎ)とか。
狙ってるんだか、文化が違いすぎて面白いだけなのかわからないけど、笑っちゃった。

そしてそのシュールな配達人軍団の歌でそのままエンディング、にはとてもびっくりした。あそこからもうひと盛り上がりあるとばかり思ってた。インド映画あなどれない…

とはいえ、サージャンがいくつ設定なのかわからない(55歳くらいか?)けど、年齢を気にして身を引くにはかっこよすぎる!
まだまだ恋愛市場で戦えるよ!足も長いし、結婚式のスーツも決まってるし…ともどかしく思った。


「間違った電車に乗っても正しい場所に着くことがある」この言葉は、最初さらっと聞き流してしまったけど、考えるほど大切なメッセージに思える。
届け間違いから始まった文通がイラとサージャンの心を変えていったように、失敗とか挫折とかしたその先で出会える人とか経験が、自分にとって大事な人になったり、忘れられない出来事になっていたり。自分もそんなことばかりだ。
世の中の正解にとらわれそうになったとき、思い出したい言葉。


インド映画は、アメリカとかの洋画とはまた違った文化とか雰囲気とかを知れるから良いな。
もっと色々な国の映画をみてみたい。

私もブータン行ってみたいな。
Yuki

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