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ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古のodyssのレビュー・感想・評価

3.0
【演劇に必要なもの】

世界各地から集まった男女の俳優に、演劇界では著名な演出家ピーター・ブルックが指導をする。その様子をまとめたドキュメンタリー。

それにしても、ピーター・ブルックの息子が監督をやっているってのは、こういう世界ってやっぱりコネ社会なんだな、と思わせられますね。何とかならないのかな。まるで歌舞伎(も無論悪くありませんけど)を初めとする日本の芸能界みたいじゃない。

まあ、それはさておき、見ているとそれなりに面白いことは確か。私は演劇は時々しか見ない人間なんですけど、ブルックの指導もさることながら、世界各地の俳優の反応が人それぞれで興味深い。イギリスの女優リディア・ウィルソンの美貌も目を惹きます。彼女、『アバウト・タイム 愛おしい時間について』に出てたんですよね。

それと、もう一つ大事なのは音楽。ピアノと、和太鼓みたいな太鼓。西洋クラシック音楽の正統性と、人間の原初性を思わせる太鼓。それに変な弦楽器もありました。音というものが、演劇、つまり人間の身体の動き、或いはそれに基づく表現と、きわめて密接な関係を持っていることが示されているのでしょう。うんうん、なるほどと得心がいきました。
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