かつを(@katsuwow)

ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古のかつを(@katsuwow)のレビュー・感想・評価

3.6
イメージフォーラムにて鑑賞

まず注意。寝不足や疲れの酷い時に決して観てはいけません。静かな作品なのです。

5台の隠しカメラで撮影したワークショップ風景と、ブルックさんのインタビューで構成された作品。彼が話した「芝居とは普通を演じること」演じることは役者だけの行為ではないなと思った。

とにかくブルックさんから静かにコメントが入り間違っても灰皿は飛んでこない(笑)ピアノと打楽器が心地よく気を抜くと眠気に負けてしまう。この静謐さの中でいっときも気を抜けない俳優たちを観てると彼が話していたリアリティが「何か、違う」という感覚で見える。

この作品を観ようと思った時、私は一般人でも通じる要素は見つけられるか?という視点を持った。考えれば、一般人も様々な場で「演じている」のだ。社会の中で自分に与えられた場で演じるべき私のリアリティとは…それはきっと観客である自分に対して表現すべきことなのかなぁとぼんやり感じたのだった。

プログラムにはインタビューが掲載されててミニミニ脚本のような装丁も可愛い。じっくり読んでみようと思った。