ごんす

トランストリップのごんすのレビュー・感想・評価

トランストリップ(2013年製作の映画)
3.5
主演のジュノー・テンプルがシッチェス・カタロニア国際映画祭で主演女優賞を獲っているとのこと。
SFやホラーなどのジャンル映画に特化した映画祭でこの映画祭の歴史を調べるのが面白かった。

知らない人と知らない場所に行ってとんでもないことになる…という映画は結構愛されるジャンルだと思うけどこれはあまり高評価を見かけない。

従姉妹のサラに会いにはるばるチリへやってきた金髪の女の子アリシア。
サラの彼氏やら友達やらもいてノリが明らかに合わない。
観光地に行くのも乗り気でない様子。
元々アリシアは繊細で神経衰弱気味の女の子だと思われるが従姉妹のサラが学校の試験を受けに行かないといけないと言い出し離脱!

「あなたに会いにきたんだから私も一緒に行く」という超ごもっともな意見に対して「1日だけだから先に行ってて」と言われてしまい知らん奴らと観光地へ行くハメに…
試験ではなく本当はサラは一人で離脱しなくてはならない事情があったのだがそれにしたってアリシアがかわいそう。

よってメンバーはアリシアとサラの彼氏とその友達、更に彼氏の姉という謎の4人に。
サラの彼氏の姉は最初から明らかにアリシアのことを面倒くさがっている。

アリシアは英語しか話せないのでスペイン語で彼らが盛り上がると余計に疎外感を感じる。
一応英語が話せるブリンクという男がいるけれどこいつがナチュラルにキモいことを言える才能の持ち主。
序盤はコイツのキモさと従姉妹の彼氏の姉の意地悪い感じが物語を引っ張っていたように思う。

とにかくストレスというストレスがアリシアちゃんを襲う。
自分もあのメンツすごーく嫌だなと思った。
彼らのせいで『ファニーゲーム』みたいになってしまうのかなと思ったけれどそこまで彼らは極悪人ではなくあくまで彼女の精神崩壊のお手伝いという程度に留まってる。

人間の気持ち悪さ+美しい自然=精神崩壊という話かと思いきやただただ狂っていく様を見守るしかない。
医者連れてけ!

人が怖い系の映画でもなければ超常現象の怖さもないし精神崩壊の様子を役者の演技と映像表現で観せて終わっていくのでフィルマ平均スコアが極端に低いのは物語を期待した人達が「クソじゃねぇか!」
と1点爆弾を投下しまくっていることも影響しているでしょう。
その気持ちも分からないではないですが自分には嫌いにはなれない作品でした。
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