あゆぞう

トランストリップのあゆぞうのレビュー・感想・評価

トランストリップ(2013年製作の映画)
3.8
原題”Magic Magic”

邦題が本質を突いている

メンタル系スリラー…でくくりたくない独特な味わいの作品

なんでこんなもの見たんだろ vs 見てよかった in ジブン

アメリカに住むアリシアはいとこのサラを頼ってスペイン語圏のチリへ…サラの恋人とその姉、友人とで先住民マプチェ居住区の家で過ごすことになるのだけれど頼りのサラは急用で一行から抜けることに

言葉、人間関係、空回りのジョーク、ちょっとしたハプニングからアリシアは孤立して…という物語

波長がよくない日、何人かで食事してて喋ろうとして声出したら他の人にかき消されるとか喋ってもダダすべりとか、電話の相手と話し始めが何度もぶつかって後で考えたらその度に自分が話し続けてたとか、クルマ運転してて嫌なタイミングで赤信号にばかりなってしまうとか、LINEやってて相手とどうもリズムが合わないし気分なスタンプがみつからないとか、家飲みしててあと軽く一杯でもういいかなとボトルの残り少しだしとグラスに全部注いだら思ってた倍量あってでも全部飲んでしまって夜中に気分悪くなって目が覚めるとか、コンビニのレジで小銭がうまくとりだせなくて店員との間に緊張感走るとか、大急ぎで顔洗ってて小指の爪で鼻を傷つけるとか…そんな事がひどく堪えることってある

あと…結局世の中、自分一人なんだと達観してしまう日とか

今朝、コンビニの軒下で雨宿りしている女性を見かねて、クルマにビニール傘何本かおいてたので「ボロ傘でよかったら持ってきます?」とクルマ指差しながら声かけたら「タクシー待ってるんでいいですタクシー待ってるんでいいです」と拒絶された

先週は仕事場でガングロイケメン体幹しっかり関西ノリ会話オッケーの新人男子がいきなりうつカミングアウトで退社希望

そんなこんながまとめて襲いかかってくるような映画

原題と邦題にこめられた、祈祷、催眠、錯視、暗示といった要素が先住民文化、旅先の不安と絡みあいもつれあいながら描かれている

ジュノーテンプル好演

「スコットピルグリム」マイケルセラ怪演(ゆとりですがなにかの太賀くらいイラついた)

オープニングのインサートカットから映像きれいだなと思ったら撮影クリストファードイル(全編ではないらしいけど)

また女の子が野外放尿(ホントここんとこのこの流れ、なんなんだ)

エンディングの錯視の小ネタがダメ押しのモヤモヤ

Chevolet Trail Blazer LT
Minnie the Moocher / Cab Calloway
Twice / Little Dragon
Pass This On / The Knife
Death Magic
あゆぞう

あゆぞう