とりん

トランストリップのとりんのレビュー・感想・評価

トランストリップ(2013年製作の映画)
2.5
2020年76本目

内向的なアメリカ人少女アリシアは、チリで暮らす親戚のサラに会いに、初めて海外旅行へときた。
チリに着いて早々にアリシアの友だちたちと田舎町へバカンスへと旅立つのだが、アリシアが用事で都会へ戻ってしまい、1人で初対面の人たちと行くことに。
神経質なアリシアは慣れない環境にどんどん不安を募らせていってしまう。

最初から最後までアリシア視点で描かれ、彼女がどんどん不安やストレスを募らせていく様子が映し出されている。
次第にそれがエスカレートしていき、彼女自身の行動にも変化が生まれ、奇妙な行動や言動が増えていく。
周りがそうさせているのか、彼女がおかしいのか、はたまたその両方が相乗しているのか。
視覚的にもそれを訴えかけてくるし、アリシア演じるジュノー・テンプルの演技力がそれに拍車をかけて、観ているこちら側にもダイレクトにそれが伝わってきて、不安が伝染してくる。

最終的に呪いなのかなんなのか訳の分からず謎の結末を迎え、こちらまで伝染した不安とストレスを一切拭うことなく終わってしまう。
そういった意味ではとんでもない映画だし、ジュノー・テンプル以外は正直普通の演技力だけど、彼女だけそれがズバ抜けていた。
シッチェス映画祭で主演女優賞を受賞したのにも納得がいく。
精神的にくるスリラー系が好きな人には結構受け入れられると思う。
もちろん精神状態が不安定な時には観ないほうが映画で、気分が優れている時にこの不安感を味わって欲しい。
とりん

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