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ウィークエンドはパリでのkojikojiのレビュー・感想・評価

ウィークエンドはパリで(2013年製作の映画)
3.8
#1205
2013年 イギリス🇬🇧映画 
監督はロジャー・ミッシェル
「ノッテングヒルの恋人」「ゴヤの名画と優しい泥棒」の監督だ。
主演のジム・ブロードベントはこの作品の後、同監督の「ゴヤ…」にも主演している。
素晴らしい役者さん。雰囲気も全然違う老人を演じわけている。それだけでも楽しめる。

パリ旅行にやって来たイギリスの熟年夫婦のニック(ジム・ブロードベント」とメグ(リンゼイ・ダンカン)。
ちょっとした行き違いで、超豪華なホテルに泊まらざるを得なくなる。
彼等は結婚30周年を祝うための旅行だったが、ニックが突然、仕事を解雇されたことを告白。これをきっかけに、夫婦は長年にわたって溜めこんできた互いへの不満をぶつけはじめる。

パリが素晴らしい。旅行している気分に充分浸れる。美味しい料理に舌鼓し、パリの街を巡る。しかも長年連れ添った妻と昔話をして、踊って、飲んで。
しかし夫婦は当然のようにぶつかる。しかし今回はちょっと根が深い。ニックは仕事でも行き詰まり、彼女の愛情にも自信がない。しかも偶然あった昔の仲間が著名になり、そのパーティに誘われ、劣等感に苛まれる。踏んだり蹴ったりの状況だ。
そんな中、メグがパーティの席であった男に誘われてしまう。

この時の会話がドキッとする。
男がパリの夜景を見ているメグに聞く
「今、何を考えているの?」
「女が抱える現実よ
 倦怠、不満、
 怒り、
 刻々と流れる時間」
 最後の「刻々と流れる時間」は応える。
 これが今のメグのすべてなのだ。

果たして二人は無事に帰ることができるのか?

手に取るようにわかる二人の会話、雰囲気、すれ違い。旅すれば「そうそう、あるある」そう思いながら観ていた。
このおしゃれな老夫婦がなかなかいい。
ハートフル。
この監督、またちょっと違った雰囲気がありいい。

2023.05.25視聴
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