いも

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパスのいものネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

いい作品だった。テーマもよかった。
狡噛から見えるものがよく理解できた。そりゃ民主化運動参加するわな。せざるを得ないよな。狡噛なら。

シビュラの恣意的運用が問題になってたが、シビュラが領土拡張したい意図はすごくよく分かる。
シビュラは悪役か否か。これが作中ずっと模索され続けるテーマで、今朱は日本ではそうなっちゃってるから受け入れてる状態で、シビュラが台頭した黎明期であれば現狡噛のように反シビュラとして戦ってた可能性は全然あると思う。
シビュラは人の牙を抜き考える力を奪う牢獄だけど、思考を失った人にとっては安寧。

槙島がいた頃は槙島のセンセーションさに焦点が当たってしまうので、なおざりになってた問題点がより明確になってそれがよかったと思う。

悪役の定義だが、私の中の定義は「意見を押し付ける者」がそう。大抵の悪役って大体自分の意見を押し付けてくる。
これが正義なのだ。これが素晴らしいのだ。お前も喜べ。
そこに他者が「いやそれは違う」と言っても怒らなければ、そうだね、君はそう思うんだね。私とは違うね。と距離感をもって棲み分けできれば。そこに争いは起きない。戦いは発生せず、物語は始まらない。
他者を支配して従わせたい。この願望が出た瞬間からそれは悪役となる。
だからシビュラは目的のために手段選ばず、領土拡張、一斉摘発、その為の惨殺。すごい悪役。
実質、骨抜きにした傀儡政治で他国を操作してるわけで。

完璧な官僚制度と言っていたが、それを理解して生きているかどうかで、人の視点の階層が変わる。
序盤の友人、比較で出すの残酷だなぁと思うよ。(また殺されるのかこいつ?と思った)朱はそういう無知の人の為に身を削って生きる選択をこれからもやり続けなくてはならない。
しんどいし、私なら交流し続けるの無理かもwでもそこで交流を切ってしまうと、現界との接点が切れると、多分足元から崩れ落ちて仕事の意義を失って闇落ちしそう。
安定した強靭な精神の、地味に大切な土台だと思う。
いも

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