ろく

希望ヶ丘夫婦戦争のろくのレビュー・感想・評価

希望ヶ丘夫婦戦争(1979年製作の映画)
4.0
西村昭五郎と言えば、軽妙ピンクだけどこの作品もその期待に応えてくれる。好きだぜ!大好き。

圧倒的に可笑しいこと。
①ラブホテルにゴンドラがあり、夫の本郷はそこから落ちて腰を打つ。昔のラブホってほんといろいろあったんだよねえ。今はすっかり普通だよ(まあほとんど行かないけど)。金イッキョンの「ラブホテル進化論」にはそこのとこが詳しいけど実際にゴンドラ乗ってみたいなぁ。

②主人公が社長の愛人と浮気するとそこに社長が。ただならぬ音楽がかかる。ああ、もうこれ観て。笑うから。主人公の慌てっぷりに大笑い。なんだあの音楽。

③矢崎滋はM★A★S★Sの会員。これブルーフィルムを観て自慰をするんだけどまずこの会の名前がどうみてもアルトマンやん(MASH)。しかも「マス」って(苦笑)。矢崎滋がそこの積極会員なのも笑う。すぐ自慰こそが男の復権だみたいなことを言う。

④さらにそのブルーフィルムの内容が。女の子が大量のカエルと一緒に悶える……ってこれ北斎漫画かーい(アッチはタコだけど)。さんざんお風呂なんかでカエルを陰部にこすりつけ(カエルの身になってほしい)最後は女の子二人が全裸でアソコにカエルを入れてカエル飛びをするという……もう何がなんだか。ちなみにカエルは散々もてあそばれたあと油で揚げられ食卓のあがります。ショッキング映像。

と基本馬鹿映画なんだけどこのころの時代を考えると「今まで男性が偉くて当たり前だった」時代から徐々に女性が進出してきた時代。だからかしらん、男性は自分の地位が下落するのを恐れるわけ。時には高圧的にときには卑屈に。それがなんともおかしい。最後なんか片桐夕子はずっと上の乗っているもんね。

最後のショットも男の価値が下がったと読めばいいのかな。今なら当たり前のショットも昔はショッキングだったんだろうなぁ。特に戦中派の人たちにとっては。

最初と最後がタンポポ畑。素敵なくらい牧歌的。そうだよ、この映画も来たるべき男女同権の萌芽(それは良いことなんだよ)と読み取っていいんじゃない?
ろく

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