さくらんぼ

グッド・ライ いちばん優しい嘘のさくらんぼのレビュー・感想・評価

4.0
1993年に勃発したスーダンでの内戦。
目の前で両親を殺され残された子供たちは、何かあったら行くように言われていたエチオピアを目指す。食べ物も飲み物もなく野生動物とも戦わなければならない。敵の兵士は子供にも容赦なく銃を向けてくる。

弟を失い、兄を連れて行かれ、目指す先もケニアに変え何とか難民キャンプに着いた。その距離1256km。日本だと札幌から広島ぐらいまでの距離だそう。

難民キャンプに着いて命の危険はなくなったものの苦しい生活が13年も続いた。成長した子供たち、マメール、アビタル、ジェレマイ、ポールは「難民キャンプで育った3600人の若者をアメリカに移住させる計画」によってアメリカに行けることになった。

前半の激動の内戦から逃げる様子は見ていて辛かったけど、アメリカに行ってからは違った苦難が彼らを襲う。

働き始めたスーパーでは大量に食料が捨てられている現実。
電話を見たこともないし、車には酔い、牧場では猛獣がいるかを確認している。
なかなか順応することができない。
真面目に働いていたら真面目すぎると薬を勧められて手を出してしまう。

さらに心配なのは女の子であるという理由で一人違う場所に行くことになってしまった妹。いろんな不安が彼らを襲う。

そこで立ち上がったのが、彼らの仕事を探すために雇われていたキャリー😆(リース・ウィザースプーン)。最初は嫌々やっていたものの彼らの純粋な心、過去の苦難を知り彼らを心から助けたいと思うようになる。

これが実話ということに驚かされるし、
想像を絶する幼少期を過ごしてきた彼らの心の綺麗さには感嘆するしかない。でもこんなことは起こるべきではなかったし、繰り返されるべきではない。
でも今なお世界で繰り返される内戦や戦争。誰かの苦悩が少しでも軽減されることを祈るばかりです。

題名は「グッド・ライ」
アメリカに来てついていい嘘もあるんだと教えられた彼ら。
この言葉の意味を是非見て確認して欲しい。
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