アベベチゴベナ

海街diaryのアベベチゴベナのネタバレレビュー・内容・結末

海街diary(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

公開日に乗り込んできました。

是枝監督の作品はどれも好きで、一度ワークショップでお会いしてから大ファンになってしまいました。
家族についての素晴らしい映画を量産している監督ですので、今回も完全に期待して乗り込んで行きました。

結果、満足!最高でした。

まずは人間兵器と化した長澤まさみですよね。原作でも露出度高めのキャラではありますが、今作では、ほんと舐めるよなアングルで長澤まさみが映ってます。もう、30㎝、上に映すと全員の顔が映りそうなのに、おっぱいが映るようにちょい下に撮ってたり、胸をパタパタするとこをわざわざ映したり、というね。こんなにフェチ全開!みたいな監督でしたっけ、と思いながら観ていました。が、よく考えてみるとサービスシーンってだけではなさそうです。

ほぼ最初から4姉妹全員が揃います。普通だったら、それぞれのストーリーをちょっとやって説明しそうなものです。が、キャラ4人を服装や姿勢によって、姉妹の関係性を説明してくれました。母代わりの長女は肌の露出の少ない服を着ています。それとは反対に次女は自由奔放に露出度の多い服を。(でも、姉の服をちゃっかり着たりするから仲が悪いわけじゃない)、三女は独特のセンスでどちらとも対立しないバランス。末っ子は制服で登場するので、まだ分からないということが分かります。セリフや、説明シーンが少ないので、いいなぁ。と思ってしまいました。

それに、いくつか心に残るシーンもありました。
まず、すずちゃんが遠くから走ってくるシーン。いつかの伊藤英明並みでした。すごかった。おねえちゃんと話してみたいっていう気持ちの強さが伝わります。
あとは、序盤の4人で丘に登るシーン。「うわぁきれい」で、景色のカットになりそうですが、あえて4人を映したまんま。ここもワンカットが長い!これは4人の映画なんだ!というのを強く示されたように思います。この絶景を隠した演出は最後のカタルシスのために取っておいてあるのかなとも思ったりもします。船からの花火もちゃんと見せてくれなかったりしますもんね。突然の空撮にビックリしました。

原作では、すずちゃん目線が多かったり、サイドストーリーも多いのですが、映画では、音楽とか鎌倉の空気感で上手くまとまっているような気がしました。

個人的には吉高由里子が大好きなので、この姉妹に吉高由里子がいれば…と思ってしまいましたが…笑
レキシのおじさんがリリーフランキーと対立せず良い塩梅でした。


中盤から4人の姉妹の関係性が少し変わったり、戻ったり、互いを助けたり、という揺れ動きが面白かったです。
最後には、親の不在という、ほぼ同じ傷を負った人間同士の支え合いに焦点が動いたりして、そして、不在の母(のかわり)の死によって4人がそれを乗り越えられるというのが美しいラストだったと思います。

飯も旨そうだったし、中学生も演技が上手で良かったです。


こんな映画24時間観てられるわ!そういう風に感じる素晴らしい映画でした。