本来、家族とは自身にとって誰よりも頼りに
なる存在であり一番の味方であるはずだ。
家庭とは心がホッとする安らぎの場であるは
ずだ。
だけどこの世界にはその家族から虐げられる
る人たちがいる。地獄の毎日にもがき苦しむ
人たちがいる。
ニュースでも頻繁に見聞きはするが映画はリ
アルでありのままにそのことを伝えてくれる。
私は大人になるまで家に居場所が無いとか家
を出たいと思ったことは一度もなかった。
理不尽な暴力を振るわれたことも勉強を無理
強いされたことも無い。
マトモで優しく育ててくれた両親には感謝の
言葉しかない。
これは当たり前ではなく実は幸せなことだっ
たと今作は気づかせてくれる。
劇中の音楽が実に美しい。ジブリの思い出の
マーニーが大好きな私は村松崇継さんが紡い
だメロディーだとすぐに分かった。登場人物
の悲しみ、苦しさを表しているようで胸に切
々と響いてくる。
惜しむらくは圧倒的に尺が足りない。
5人それぞれが抱える気持ち、生い立ちを表
現しきれていない。それでこのスコアです。