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オマールの壁のmovieJackのレビュー・感想・評価

オマールの壁(2013年製作の映画)
4.0
パレスチナ自治区の実情を全く知らずに観賞したが

国境だけではなく国内にも食い込むように高さ8m・長さ700㎞にもなる巨大な壁が建設され幼馴染みや恋人と分断されている現実に驚愕し

冒頭では転落死や銃撃による危険を顧みず壁を軽快に登る主人公オマール(アダム・バクリ)の慣れている動作から悲壮感は感じられない
(よじ登るためのロープも垂れ下がっているし…これもイスラエルの策略?)

しかし話が進むにつれ実際の壁の存在がどんどん大きくなると伴に
オマールの対人関係は勿論
全ての事に見えない壁(障壁)ができ
彼女と会いながら手紙を交換するだけという真面目で純朴なオマールだけに後半の展開は辛すぎる
またその全てがイスラエルの策略かと思うと戦争による占領という現実が見えてきて
これが世界において今現在も行われている事に打ちのめされる


私事ですが
GWもほぼ休みなく昨夜も仕事により仮眠1時間程で迎えた午後の観賞
睡魔と闘い何度か寝落し再度観なければ…と劇場を後にしたが
私を含めGW夕暮れの繁華街の和やかな雑踏の平和ボケした雰囲気に違和感を感じ

社畜かよと嘆きながらの毎日であるが
劇場で素晴らしい映画をのんびり観賞できるという今の現状は彼らとは比べようもなく幸せで
ほんの些細なことでも今の幸せを再認識できる作品だと感じた
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