このレビューはネタバレを含みます
文革三部作③
文化大革命により引き裂かれた家族。
夫の帰りを待ちわびる妻は、心労のあまり20年ぶりに戻ってきた夫の存在だけを認識できない記憶障害となってしまっていた...。
そんな彼女の記憶を呼び戻そうと、ピアノで思い出の曲を弾いたり、検閲のため郵送できなかった収容所で書き溜めた手紙を読んだり...と涙ぐましい努力をして妻を支え続ける夫。
打ち込んでいたバレエの役をもらえず、逃走中の父の居処を密告してしまった娘。それにより軋轢の出来ていた母との雪解けも良かった...。
夫を役人だと思い込み狂乱するただならぬ様子の妻。役人に復讐しようと家を訪れるも、警察だと勘違いした役人の妻に捕えた夫を返せと罵られる。こちらにも時代により引き裂かれた家族が...。
夫と認識して貰えないのは辛いけれど、何年経っても毎月駅に夫を出迎えに行く一途な妻の思いを隣で見守ることが出来るのは、ほんの少しだけでも救いになるのかな...。
2023-276