まるで綴織のような、文革への想い。
シュウシュウの季節を観て、色々と引っかかる所があったが、本作で理解は進んだ。
どちらも、なす術も無い男が登場する。
原作者のどの作品も、人物造形と配置が、ギミック的で興味深い。
パッと見、中共説話的なモノは感じないが、この報われなさは充分に枠内。
文革の犠牲者を描いてはいるが、党の意向に沿わない事、それによるカルマが、全編を覆っている。
その辺りを感じさせないのはさすが。
社会的に存在を許されなかった夫は、妻の傍らにいながらも認識されず、妻は夫を待ち続ける。
観方次第では、1984やTHX1138のようなディストピア物の、出来の良い後日譚とも。
原作者の本意がどこにあるのか判らないのは、相変わらず見事。