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妻への家路のaaaakikoのレビュー・感想・評価

妻への家路(2014年製作の映画)
3.5
夫婦の物語であるのでしょうが、ちょっと娘が不憫ではないか、と思いました。
大変な時代ではあったと思いますけど、だからこそ、親は誰よりも子どもを守ってやろうと思わんのか。
父親が逃亡犯だからバレエの主役になれなかった。それもかわいそうだけど、何より逃亡を助けたりしたら娘にも危害が及ぶのではないかとか思わないのか?大切なのは夫婦仲だけか。
夫が戻ってきてからも、娘は使われてるだけみたいな感じしたし。

で、そんなふうにもやもやしながら見てたのですが、最後まで見て、うっ…そうか…となりました。
わたしこの監督の「初恋のきた道」がすごい好きで、いつまでもそのなんていうか、アジア的切なさが今もこうして年をとってもあるんだなーと、思いました。
ただやはり……娘が不憫でしかたなかった。
最後も、あれ娘は幸せになってるのかなと疑問。


娘のバレエを見ていて、30年ぐらい前に上海バレエ団の公演を見に行ったのを思い出しました。
映画の中でも、当時の国策に沿った演目を踊るシーンがありましたが、わたしが見た上海バレエもあんな感じの、優雅さはないけどただ技巧的には素晴らしいというバレエでした。
これはバカにして言っているわけではなくて、優雅さというのは、ロシア的、ヨーロッパ的な優雅さというだけであって、その国独自の表現法があるのは素晴らしいしそれが最高だと思うのです。上海バレエには唯一無二のそれがありました。
もう今はそれもなく、アジア人もヨーロッパと同等のヨーロッパ的優雅さと体型で、ロシア、ヨーロッパの古典を踊っているのでしょう。
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