リーアム兄さん

虐殺器官のリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

虐殺器官(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

【好きなセリフ】
ルーシャス「自由とはそうしたさまざまな選択の取引なのだということを彼らに実感してもらうのは難しい。若者は絶対的で純粋な自由というものがあると思い込んでいる。彼らはそうした偽りの自由を謳歌する必要があるんです。大人になって自ら選ぶ自由がより高度な自由だとリアルに感じてもらうためにね。」

サラエボで手製の核爆弾によるテロが発生した世界。アメリカなど先進国は完全的な監視社会を築き、個人情報を犠牲にする代わりにテロとは無縁の平和な社会を築いていた。一方で後進国では軍事政権や民族対立による内戦が激化しており、平和な国家とテロ国家の差別化が大きくなっていった。アメリカ軍のシェパード(声:中村悠一)はテロ対策特殊部隊に所属しており、内戦が起こっている国での軍事指導者の暗殺などを行っていた。内戦が起こっている国の共通点としてあるアメリカ人のジョン・ポール(声:櫻井孝宏)の存在を突き止めたシェパードたちはポールと交際関係にあったルツィア(声:小林沙苗)と接触するためチェコのプラハに潜入する。無事ルツィアと関係性を築くことができたシェパードだったが、ポールの協力者によって拘束・拉致され、シェパードはついにポールと対面することになる。そこでシェパードは後進国で「虐殺を司る人間の器官を刺激する“文法”」についてポールから聞かされることになる。そこにシェパードの相棒であるウィリアムズ(声:三上哲)と部隊が救出に現れるもののポールを取り逃がしてしまう。ポールにルツィアも連れて行かれたことに気づいたシェパードはポールを追い、アフリカに向かうことになる。そこで再びポールと対峙し、人間の本能による虐殺とその真意、そしてアメリカを含む先進国のある犠牲の上に成り立つ自由のあり方についてシェパードは葛藤する。