れーみゅ

虐殺器官のれーみゅのネタバレレビュー・内容・結末

虐殺器官(2015年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

原作小説で大半を占めてるジメジメした一人称の独白が7割ぐらい削られて、それでもSFもの・特殊部隊ものとしてそれなりに良い感じのアニメになってるのは、製作陣の努力もあるんでしょうけど原作が元々面白いから良さの大半がスポイルされても良い感じになってるだけじゃないか感は否めない
赦しを求めてルツィアを追い求めるという構図がなくなってるので、ルツィアに対するシェパードの執着が相当見えなくなってるのに、物語として何となくそれらしくなってるのはある意味すごいと思う 原作ではスルスル読めた長台詞も声優に語らせると小っ恥ずかしくなってくる(奇しくも伊藤計劃氏が自身の批評で『映画でウンチクを語ることは不可能である。映画はウンチクを語るという行為を映し出すことは出来ても、ウンチクそのものを説明することはできない。文章では面白く読めたものが、映画で語られるととたんに退屈になる』と述べているように)のですが、これは豪華声優陣や懸命なカメラワークで頑張って誤魔化してる方なので責めるのは酷な気もする
あと、子ども兵に対してクソほどナメた態度とってた『リコリコ』なんかを観た後だと、無理やり兵士にさせられた子どもが撃たれて死ぬという様を誠実に描いてる所は好感持てますね(同じ意味でルツィアが撃たれるシーンやリーランドがハラワタ出すシーンとかも良かった、でもジョンポールが喋る時に催眠音声みたいなエコーかけるのは勘弁してほしい あと幾ら近未来SFでも特殊部隊が銃を腰だめフルオートで撃つのは絵面が間抜けすぎるので田……備…発あたりにモーションキャプチャやってもらうなり何なりして何とかしてください)
なんにせよ、これを通して伊藤計劃という作家の存在が広く知られるのは良いことだと思う(でも総監督:小島秀雄でもう一度アニメ化とかゲーム化とかしてくんないかな…)(原作の相当部分を省いて分かりにくくなってる所はあると思うので、映画見て「よく分かんなかった」って思った人は是非原作に触れるのをオススメします)
れーみゅ

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