朱音

虐殺器官の朱音のレビュー・感想・評価

虐殺器官(2015年製作の映画)
4.0
伊藤計劃3作品目。やーっと観れた‼︎
ほかの作品と違ってこれはかなり原作に忠実。想像していた描写と近くてのめり込んでしまった。そして相変わらずの映像美。

あちこちに死体が転がり、銃声が響く光景を目の前にしても平然としてる。彼らにとっては戦場ですら地獄ではなくて、唯一の「地獄」は頭の中。。
「虐殺の文法」言うならば「人間の奥底の醜悪さ」を曝け出す「言葉」。
言葉は目に見えないけれど、一度言ったら消せない。目に見える傷は出来ないけど心に傷を残す。ジョン・ポールが見えない力でもって虐殺を促す姿はまるで魔女か道化師の様で、聞いてはいけないと思うのに聞かずには居られない。抗ってはいけないと思うのはジョン・ポールの落ち着いた雰囲気と声音のせいか、、。
近未来的なシステムなのに人間の根本的な物はいつの時代も変わらないなって感じる。
朱音

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