TADANOINAKAMONO

虐殺器官のTADANOINAKAMONOのネタバレレビュー・内容・結末

虐殺器官(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

レンタルにて鑑賞致しました。

まず、タイトルがショッキングですね。
そして、虐殺の描写もじつにショッキングです。
ですが、これが少しづつ慣れてくるんですよ。

主人公は秘密の任務を遂行する精鋭隊員です。
なんだかコナミの人気ゲーム『メタルギア・ソリッド』みたいです。
あのゲームでは主人公は単独で任務にあたりますが、本作はチームです。
そして主人公は任務を遂行する過程で思わぬ事実に遭遇するというものです。Σ(・□・;)
これもまた、ゲーム『メタルギア・ソリッド』のシリーズみたいですね。

そしてまた本作は近未来を舞台にして、いわゆるユートピア世界とアンチ・ユートピア世界を描いているようです。
私はジョン・ブアマン監督のSF映画『未来惑星ザルドス』を思い出しました。
あの作品ではユートピア世界の外には殺戮の展開する世界があるという設定でした。
しかし、本作はそういった昔のSF作品の単なるトレースではありません。
それはご覧になればキットお分かりいただけます。(^ ^)

さて、それ以外にも本作には面白い趣向があります。
主人公たちはある種の処置を受けており、感情を乱さないようになっているということです。
ここで思い出されるのがアニメ化もされたマンガ『ガンスリンガー・ガール』です。
これは義体という作り物の肉体の女の子たちが政府の密命で殺人を行なうというお話です。
女の子が殺人なんていう怖いことを出来るわけがないんですが、じつはこのアニメの少女たちはある種の精神的な処置を受けている…というわけです。
なんだか本作に一脈通じるモノを感じます。

さて、タイトルにも冠されている【虐殺】ですが、これは本作の重要な登場人物、つまり世界のあちこちで行われている数多くの虐殺の黒幕の方のセリフに直に接していただくのがよいでしょう。

すると本作が
“悪い奴らを懲らしめる”
といった単純なアニメとは違うというのがお分かりいただけると思います。

先程からゲーム『メタルギア・ソリッド』を引き合いに出していましたが、故人となられた原作者の方はたいそうゲーム好きで特に『メタルギア』シリーズの生みの親の小島秀夫氏とは親交があったそうです。
本作でも『メタルギア』の主人公役の声優である大塚明夫氏が主人公の上官役で御出演でした。
これで音楽がハリー・グレグソン・ウイリアムズだったら『メタルギア』シリーズのゲームのファンの方なら涙モノだったでしょうね。

本作の製作にあたってはTVアニメ『サムライ・チャンプルー』(←これ、楽しかった!)を手がけたプロダクション「マングローブ」の倒産という一大トラブルもあったとのことですが、なんとか完成にこぎつけたことはスタッフの皆さんの努力の賜物でありましょう。
エンド・クレジットを拝見しておりますと1998年のTVアニメ『ガサラキ』に関わった方のお名前が見受けられます。
あれは兵器産業、自衛隊、国際紛争、そういった政治色の濃い作品で、登場するロボットも人工筋肉で動く自衛隊の装備というじつに硬派なアニメでした。
1回観ただけでは気軽にお友達に内容をお話し出来ないような点は『虐殺器官』に似てるかな。^_^;

というわけで観終わってアレコレ思いついたことを無責任に綴ってみました。
長文を最後まで読んで下さってありがとうございました。(^-^)/
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