せみ多論

チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密のせみ多論のレビュー・感想・評価

3.0
チャーリーの髭、あるいは彼そのものが、形骸化してしまった英国的伝統を皮肉にしているのか。周囲の人間はおろか妻ですら吐き気を催すもの、と。魅力的な妻が彼に惚れている理由も、ジョックが異常なほどに彼に忠誠を誓っている理由も、明言されない。ぼんやりと空洞。ここからすでに皮肉が効いているのでは。
恐らく他にも色々な皮肉や言葉遊びがあったのかもしれないけれども、知識不足でわからないことばかりだったのだと思う。他国のコメディーを楽しむには十分な知識や教養があって初めて楽しめるものだと改めて感じた。文化的な下地もなしに、わからないことをつまらないと感じるのはいささか恥ずかしい思いがした。
内輪ネタを他人が見ても面白くないこと、狭義に言ってしまえば、それの延長上に自分の無知があり、楽しめなかったと思うのが現時点での感想。
もちろん万国共通でわかるようなネタもあるので、それはそれで笑いどころと受け取れるのだけれども。


ストーリー自体はなんちゃこっちゃないです。あとはグウィネス・バルトローが魅力的。愛しのローズマリーでも綺麗でしたよね。
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