このレビューはネタバレを含みます
人生も終盤に差し掛かり自らの人生に疑問を抱き始めたおっさんが、自分の可能性をもう一度試すために運び屋の仕事に復帰する話。でも現実はそう甘くはなく、彼に待っていたのは仲間である若い男からの軽蔑とその恋人からの同情。
ラスト、主人公の分身とも言える車を仲間に簡単に乗り捨てられた瞬間から、彼自身もまた2人にとって乗り捨てられる存在でしかないことが簡潔に示される。そして、銃弾に倒れ今にも人生が潰えようとしている主人公の視線の先に、新しい人生に向かって海を渡っていく2人の姿を映し出す余りにも残酷なラストカット。何処までも無情な世界。