Nami

ウェスト・オブ・メンフィス 自由への闘いのNamiのレビュー・感想・評価

4.0
実際にアメリカで起きた、ウエスト・メンフィスという殺人事件のドキュメンタリー映画。

3人の男の子が無残な方法で殺害された事件を、事件発生から映像で追っていくスタイル。

逮捕された犯人が、同じく3人組の少年だったことからアメリカでも大きな騒動になったそうです。

法学部出身者としては、裁判が映像で記録されてること、裁判に提出された証拠が映像としても記録されてたこと、逮捕時未成年だった少年の名前も顔も報道されてることに、改めて日本の司法制度との違いに新鮮な驚きを感じました。

警察の初動捜査がずさんだったことは非難に当たるけど、イコール少年たちが無罪にはならないし、かと言って、カルトにハマっていた少年たちが残忍な殺人と結びつくというのも強引だし、継父だからと言って怪しいとするのも理不尽だし、実際なにがあったんだろうとすごく純粋に知りたくなりました。もう事件は解決扱いなので明かされることはないのかな。

結局、アメリカの司法制度の特徴の1つでもある司法取引に応じて、主犯格に対する死刑が迫る状況で、少年3人は「無罪だけど、自らの最大の利益を考慮し、有罪だと認める」と裁判所で証言します。もちろん、実際の映像を見れます。

そのあとに裁判長が3人に語った言葉がすごく暖かくて人間味溢れてて、心にしみました。裁判官って、小難しい理論を述べてロジカルに事実認定して物事の白黒つけるだけじゃないって感じたし、18年間収監された3人の少年、被害者家族、支援者すべての人が区切りになる、とても人間味溢れるスピーチだったと思います。

事件の全体像は日本のWikipediaでも見れるし、過去にはアンビリバボーとかでも取り上げられたそうなので、映画を見る前に基礎知識を持って見ると面白さが増すかもしれません(^_^*)
Nami

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