YokoGoto

ウェスト・オブ・メンフィス 自由への闘いのYokoGotoのレビュー・感想・評価

4.0
まさに、映画のような話(実話)とはこのことで、極めて映画のシナリオのような結末と展開に、ドキュメンタリー映画とは思えなかった。

1993年にアメリカでおきた実際の事件。8歳の男児3人を殺した容疑で逮捕された地元の少年3人。裁判で少年3人は有罪となり、刑務所へ収監されるが、当時のずさんな警察の捜査により、少年3人が無罪を訴え始め、彼らの支援者達による司法との闘いを追った作品。日本ではソフト化も劇場公開もしていないので、WOWOWで鑑賞。

とにかくSTORYがすごすぎる。終始、『映画みたいだ…』と彼らの数奇な運命に翻弄される2時間30分だった。
ドキュメンタリーだけに、事件に関わった人々が、顔出しで出てくる。殺害された男児3人の残酷な写真も出てくる。思わず、目をそらしたくなるような現実と、強引な捜査に罪人とされた少年達の過酷な運命に、なんともいえない行き場のないイライラが止まらない。

「JUSTICE:正義」。この言葉がやけに浮いて見える。正義がどこにあるのか?果たして、正義などあるのか?そもそも、正義とはなんだ?人間の不確かな良心を表す言葉でしかなく、この世に存在しないものなのではないか?とさえ、疑ってみたくなる。

思いがけない展開、そして結末に導かれ、最後には、終始行き場のなかった「JUSTICE:正義」という言葉だけが、むなしく空に浮いているような気持ちになった。
YokoGoto

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