スターガール

ウェスト・オブ・メンフィス 自由への闘いのスターガールのレビュー・感想・評価

4.0
ピーター・ジャクソンがプロデューサーとして参加しているドキュメンタリー映画。90年代初頭、アーカンソー州で8歳の少年3人が殺害された事件が起こる。その犯人として当時ティーンエイジャーだった3人の若者が逮捕され、裁判を経て有罪判決を受ける。殺害された少年たちの遺体の損傷が激しかったことから、「カルト犯罪」とされ、全米を震撼させたこの事件だが・・・。

恐ろしい。検察側が事件の残虐性を利用し、社会と陪審員の心理を利用し、ずさんな捜査・証拠不十分にも関わらず、手っ取り早く地元の素行不良の少年3人を投獄することにした。この20年の間、司法は一体誰を守ろうとしていたのか。結局、被害者・被害者遺族は何も救われていない。

「事実は小説より奇なり」というが、アメリカの司法制度の矛盾と腐敗した部分がクローズアップされた虚しさを感じるストーリーである。ただ事件や裁判の関係者・親族など多くのインタビューが収められており、ドキュメンタリーとして深く心に刻まれる作品だ。
スターガール

スターガール