半兵衛

リングの王者 栄光の世界の半兵衛のレビュー・感想・評価

リングの王者 栄光の世界(1957年製作の映画)
3.0
お話はよくある貧乏なボクサーが栄光を掴むまでのお話だけれど、これが監督デビューとなる石井輝男監督による巧みなカッティング技術はすでに健在でボクシングの試合シーンの数々を大いに盛り上げているのがさすが。

でも宇津井健の体型は結構体格はいいとはいえちょっとボクサーには見えづらいかな、むしろライバルのチャンピオンを演じる細川俊夫のほうが脂肪のない引き締まった体つきといい本物っぽく見えたりする。

台詞もなく数シーン登場するブレイク前の天知茂や、妖艶な色気を存分に発揮する若杉嘉津子の演技も見所。

ちなみに『リングの王者』というタイトルで検索すると、なんと同じ題名で1935年に製作されたピストン堀口主演の映画があることが判明。残念ながらフィルムは現存していないものの、戦前に主役がプロボクサーのボクシング映画という『どついたるねん』みたいなことをやっているのが興味深くてどこかに保存されていないかなと思ったりする。
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