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アイアムアヒーローのTrueRyのレビュー・感想・評価

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)
3.2
原作コミックの面白さと描写にはまっていたところ、この映画の存在を知り視聴、大泉洋主演にいささかの不安を感じつつ。

某マンガアプリの無料期間でみていたアイアムアヒーロー。原作では漫画家志望のオタクの日常マンガとおもいきや、いきなりギアがかわりゾンビや壊れた日本に巻き込まれる主人公の変わり様や交流を楽しめる作品。ゾンビ作品とは知ってたが日常がおもったより長く、ほのぼの系なのでそっちでもはまりそうになっていたので余計に衝撃が強かった。社会が壊れた後にも独特のワビサビ感と、主人公のすっきりしなさがよいオタク感を出しており、一気にお気に入り作品となった。

映画ではやはり時間の制限もあり、その日常部分が最低限となっている。特にてっことのやりとりが少なく、物足りなさは感じる。だが冒頭の古アパートで郵便受け口から始まるシーンなど、原作の匂いをいろんな所に散りばめている所がうれしい。

が、やはり懸念の大泉洋がネックかな。オタク感が圧倒的にたりず、彼の成長物語としての側面が薄い。徐々に成長していくわけではなく、ためらいを吹き飛ばして、一気にZQN=ゾンビをなぎ倒していくハードな展開になってしまった。ヒーロー感の描写は好きだが、原作にただようワビサビ感も足りないかな。

ゾンビ映画としてみた場合はせまりくるZQNや混乱が始まる街中の描写、ZQNの目力、生存時に固執していたものを引きずる、などの要素はよい。

切り取り方や演出は悪くないが、原作の衝撃を知ると少し物足りなさは感じるかも。おもったよりグロく、グチャグチャ感はあるのでそういったのが苦手な方は避けた方が吉。
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